ブリティッシュショートヘア

ブリティッシュ・ショートヘア(British Shorthair)は、イギリスにその起源を有する、猫の一品種。自然発生種に類され、ブリテンの地に源流を有する数多の猫種のなかでも最古のそれであるものと目されている。 殊にこの品種のブルー〔灰色〕の毛色はこの品種―ブリティッシュショートヘアの「永遠の傑作」とも言われ、これの持ち主は特に「ブリティッシュブルー」の呼び名を持つことがある。

歴 史

2世紀にブリテン島を侵略したローマ人らは、その折に農耕をもたらすと同時に、それに係るネズミ対策のためにこの地に猫を持ち込んだ。やがてそのローマ人らが引き揚げてのちに隔絶状態に入ったこの島でそれら猫らの揺籃が進行することとなった。 こうして繁殖した猫らの子孫と伝えられるこの品種―ブリティッシュショートヘアは、1800年代には既にその存在を知られていた。

その創出の直接の起源にあたる時期は1880年代で、当時のイギリスの地に生息していた野良猫や飼い猫などの雑多な猫らを交配したうえで生み出された。 1871年にロンドンで世界初のキャットショー〔猫展覧会〕が開催された折には、この品種も出陳されるに至り数多の優秀賞を獲得。 1890年代になると地元イギリスで一猫種としての公認を獲得した。

20世紀の中頃―第二次世界大戦の時期には食料不足を原因として絶滅の危機に瀕し、まさしく絶滅寸前という状況にまで差し掛かったものの、時の繁殖家らの尽力によって、この品種の最近似型と見做されたペルシャとの交配計画が始動。これによって血統の断絶は回避され、更にはこの外部交配によってそれまでに無かった毛色と体型が誕生したのであった。

時も下って1970年代に入ると、米国の地へと持ち込まれそこで瞬く間に人気の猫種へ。 1980年代になるとその米国で幅広い公認を受けた。 21世紀に入ってからというもの多様な東洋の猫種―いわゆるオリエンタル種との異種交配の試みが活発化し、それまでに存在しなかった様々な新色の作出が見られるようになった。
ブルーのブリティッシュショートヘア―「ブリティッシュブルー」にはしばしばシャルトリューとの類似性が見い出されもする。

特 色

元々は「ブリティッシュブルー」と呼ばれていた。これはキャットショーに出陳されていたこの品種の個体がある時期まではブルーの毛色のそれに限られていたことと、この毛色に人気が集中していたことによる。 ブルーのブリティッシュショートヘアは、その他の毛色のそれより被毛が厚めであるという特色を備える。

「短毛」を意味する「ショートヘア」というその名の通り短毛種であり、骨太の脚、厚く幅の広い胸部、引き締まった胴体、重量感のある丸い顔、そして、殊に密生した短い被毛を特徴とする。 完全な成熟までに要する時はおおよそ3年から5年。 B型の血液を保持する個体が4割に達する。これは他の短毛種には見ることのできない珍しい特徴である。

気質の面においては、誠実さおよび辛抱強さと控えめな様子がその特色とされ、その非常に静かな様子が特筆の的となっている。 従順にしておとなしい反面、触れられるのを嫌がることから、「独立心の強い落ち着いた猫」との形容を受けてもいる。

― 引用 ― 「ブリティッシュショートヘア」
『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より
2014年1月15日 (水) 10:43 UTC Wikipedia を参照

アメリカン・ショートヘア

アメリカン・ショートヘア(American Shorthair)は、猫の品種。17世紀にメイフラワー号でアメリカに上陸したネコの子孫とされる。

歴 史

10世紀ローマ人がヨーロピアンショートヘアをイギリスに持ち込みブリティッシュショートヘアへ名称変更、1620年メイフラワー号によりアメリカ上陸後はドメスティックショートヘアへ名称変更、1966年にアメリカンショートヘアとなった。

身体的特徴

運動能力の高い、大きな脚を持つ中型の猫である。鼻・口の部分はほぼ四角い形をしており、寒さ、湿気、および表皮負傷からそれらを保護するために硬い毛皮を持つ。毛皮は冬に厚く、春に薄くなる。いずれも同系のブリティッシュショートヘア種より体重が軽いのが特徴。ただし、容易に太り過ぎる傾向があるため、健康管理に注意を払う必要がある。

個体として完全に成長するのは3-4歳頃だと考えられている。オスはメスよりも大きく、メスのあごはしっかりしている。

日本で一般的なシルバークラシックタビー以外にも、非常に多彩な色(黒、白、銀、クリーム色、赤、茶色、青、縞模様など)のバリエーションがある。目、手足の肉球、および鼻の色は身体の色にマッチしている。尻尾は先細り。毛の手入れはさほど必要なく、毛が生え変わる季節に定期的なブラッシングをするだけで、問題なく毛玉の形成を防ぐ事ができる。

性 格

陽気で賢く好奇心旺盛。遊び好きで、同居人(犬も含む)と仲良く暮らすことが可能。狩りが得意だが、明るく優しい気質で、小さい子供の遊び相手にもなれる。その飼いやすさから日本でも1990年代後半頃より流行し始め、現在ではごく一般的な猫の品種として定着した。「アメショー」などと略されることも多い。

― 引用 ― 「アメリカン・ショートヘア」
『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より
2014年8月31日 (日) 10:52 UTC Wikipedia を参照

アビシニアン

アビシニアン(英:Abyssinian) (play [æbɪˈsɪniən])は、ネコの品種のひとつ。原産国は不明だが、エジプトが有力。(エチオピア、またはイギリスとされる場合もある。後述。)

概 要

1868年のイギリス・アビシニア戦争後、イギリス兵がエジプトのアレクサンドリアの港にいた「ズーラ」という名の雌ネコをイギリスに持ち帰ったのが起源とされる。その後、イギリスで縞ネコと掛け合わされ、ヨーロッパに広まったと見られる。世界中のほとんどのアビシニアンはこのズーラの子孫と考えられるが、リビアから同種のネコがアメリカに持ち込まれた可能性もある。日本の雉猫を祖とすると書かれた書籍などもあるが、裏付けに乏しく信憑性は低いと言える。ソマリとは近縁であるとされる。

認められている毛色は ルディ(Ruddy) ・ レッド/ソレル(Red/Sorrel) ・ ブルー(Blue) ・ フォーン(Fawn)など。毛の模様はティックドタビーと呼ばれ、アビシニアンの大きな特徴となっている。ティックドタビーは古代エジプトで描かれた絵のネコの毛色に良く似ており、この毛色を生み出す突然変異はかなり古い時期に発生した、と考えられている。現在のアビシニアンも、イエネコの原種であるリビアヤマネコとの共通点が多い。

瞳はゴールド、グリーン。寿命は12-15年。歯肉炎にかかりやすい。

原産国

アビシニアンの原産国はエチオピア(イギリス・アビシニア戦争時、ヨーロッパではアビシニアと呼ばれていた)とされることが多いが、これは1874年に出版された本に「イギリス兵がアビシニア高原(エチオピア)から連れ帰った珍しい猫」と紹介されたことに由来すると見られる(これがアビシニアンの語源となっている)。しかし、上述のとおりイギリス兵が持ち帰ったネコはアレクサンドリアにいたのであるから、エチオピア起源というのは上記の本の著者の誤解に基づくと見られる(なお、ズーラについては英語版を元にした)。

また、「ティックドタビーのネコは、実際には東南アジア原産で、イギリスのネコと掛け合わされてアビシニアンが誕生した」とする説もあり、この場合はイギリス原産とされる。

性 格

動作は俊敏だが性格はおとなしく、大きな声で鳴くような事はあまりない。一方、飼い主の声にはよく反応し、遊んでもらうことに喜んで応えるような活発で友好的な性格をしている。

― 引用 ― 「アビシニアン」
『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より
2014年10月17日 (金) 02:35 UTC Wikipedia を参照